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2024年3月5日(火)

  • 建築さんぽ

 遊牧の文化 ―モンゴルの原風景―

空から眺めたモンゴルは草原以外は何も見当たらなかったが、草原に着地した途端どこの惑星に降り立ったかというほど、清々しくどこまでも続く草原に圧倒されます。北欧などの雄大な自然群とは違う、もっと原始的で潔さを肌で感じるられます。モンゴルの面積は約156万㎢、その下には永久凍土が広く分布していて国土の70%の草原がそれによって維持されているそうです。一年間の気温差は夏は40度、冬はマイナス30度以下にもなるといいます。この場所で自然資源の有効利用と家畜や家族の生活管理をして遊牧する知恵とはどんなものだろうか。近代生活の衣食住とは全面に対極にある環境は、想像に難い。超人といってもいいのではないかと。遊牧民が居住しているゲルはあるのだが、家畜小屋のようなものがない。一年中遊牧なので当然に小屋は無いそうで、弱っていけば死んでいく自然に任せるのだという。人も亡くなれば昔は生命を自然に還す風葬が主であったそうだが、今は人の身体が薬臭いらしく鳥も動物も食べなくなったそうで土葬や火葬に移行したという。遊牧は傍目には自由に見えがちかもしれないが、草を食べ尽くさないように水が枯れないように季節ごとにバランスある計画のうえに成り立っていて、知恵が詰まっているのだという。現在、地球温暖化の影響でで永久凍土や草原の保全が厳しい状況にあるというが、より良い形態に辿り着いてもらいたいです。

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